2004.5
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5月17日(月) 春のドラマ考A…菅野美穂に端を発するあれやこれや
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春にスタートしたドラマもそろそろ折り返し点に差し掛かってきた。
一ヶ月ほど前の当コラムにて、ドラマ「愛し君へ」をとりあげた。
そのときに主演の菅野美穂のことはまた別の機会に話したいと書いた。
まずはここで改めてそのことに触れようと思う。
女優菅野美穂のイメージってどんな感じだ?
・演技がうまい
・生き方が不器用
・実直
・健気
・苦労が多い
・人付き合いが苦手そう
・人生に障害が多い
・世渡り下手
・恋愛下手
等々、まあそんなところかな…少なくとも幸薄いイメージの役どころが多いのが特徴だ。
それもこれもやっぱりあの写真集「NUDITY」ショックの影響が大きいのかもしれない。
こう見えてもブレイク前の新人アーティストや女優を見る目は少しはあると自負している。
長いことアイドル大好き人生を送ってきた経験から、本物と偽者を多少は見分けられる。
例えば、歌姫前夜の中森明菜…「スター誕生」出身者の割には注目度が低かったデビュー当時。
デビュー曲“スローモーション”を聴いて、すぐに1stアルバム「プロローグ<序章>」を買った。
彼女がブレイクするのはその後にリリースされた2ndシングル“少女A”だった。
例えば、角川映画でブレイクした原田知世…角川映画新人オーディションの特別賞を受賞。
その後先輩薬師丸ひろ子のヒット作「セーラー服と機関銃」のドラマ化作品で地味にデビュー。
続く「ねらわれた学園」を経て、「時をかける少女」で鮮烈に銀幕デビューを飾った。
現在は女優業よりもアーティストとしてステージに立つことが多い彼女。
歌手デビューとなった“悲しいくらいほんとの話”は「セーラー服と機関銃」の主題歌だった。
例えば、テレビドラマを中心に演技派女優として開化した和久井映見。
初のレギュラー出演ドラマ「愛しあってるかい」では教師に思いを寄せる生徒役を演じた。
小泉今日子に浅野ゆう子という人気者の顔合わせドラマではけして目立つ存在ではなかった。
それでもこのちょっと暗そうな女の子が気になって仕方なかった。
映画「息子」での難役からその資質が大きく開花したことはご承知の通り。
例えば、落選組からスタートしたモーニング娘。…説明はいらないか…。
で、菅野美穂の話。
アイドル冬の時代の徒花だった素人アイドル集団「桜っ子クラブ」出身だがこの頃は知らない。
まだ駆け出しの新人アイドルにすぎなかったものの、多数のドラマ出演で次第に注目される。
この頃には夏の甲子園のマスコットガールを2年続けて担当した。
もちろんアイドルの定番のCDデビューや写真集出版も果たした。
1st写真集「17ans」はアイドル写真集としては野心的な一冊だったが今は手元にはない。
けしてうまいとはいえない1stアルバム「ハッピーアイスクリーム」も持っている。
個人的には本格的に彼女に注目し始めたのはNHKの連続テレビ小説「走らんか!」だった。
そして翌年の「イグアナの娘」から一気に話題のドラマへの出演が顕著になる。
同時に菅野美穂の虐げられ役女優人生もスタートする。
「イグアナの娘」から「恋の奇跡」の怪演を経て昨年の「大奥」までその系譜は続く。
「君の手がささやいている」シリーズが始まると次第に演技派としての評価も上がる。
舞台では「奇跡の人」のヘレンケラー役を熱演している。
今や若手女優としては引く手数多の存在になった。
そのきっかけはやはりあのヘアヌード写真集「NUDITY」だったのだろうか。
順風満帆に女優人生を歩み続けた彼女がなぜあそこで決断したのか、今は知る由もない。
ただあの涙の記者会見に隠された何があったことだけは確かなのだろう。
正直言うと最近の演技派菅野美穂はあまり興味がなかった。
元来がへそ曲がりゆえに相も変らぬ感動の押し売り作品にはあまり食指が動かない。
むしろ初期の「エコエコアザラク」や後の「富江」のようなエキセントリックな役がいい。
ドラマ「愛し君へ」は本日の第5話からいよいよ長崎編へと入っていった。
菅野美穂がこの先どういう切り口でヒロインを演じていくのか興味は尽きない。
ドラマといえば昼の帯でスタートした中澤裕子主演の「ほーむめーかー」も中盤へ。
とはいうものの連続ものの悲しさで、一度見逃すとなかなか先へ進めない。
溜まりに溜まった2週間分の放送を夕方から一気に見て何とか追いついた。
ただしこの間は古いビデオテープに3倍で録っていたために映像が乱れに乱れる。
トラッキングが合わず時々上下の乱高下を繰り返す画面を見るのも大変だった。
もっともこの手のドラマは耳で台詞を聞いているだけでも話は分かるのがいいところではある。
最初はどうも落ち着かなかったスーパーポジティブ主婦のいずみさんもだいぶ慣れてきた。
裕ちゃんも次第に緊張感よりも現場を楽しんでいる感じが見えてきた気がする。
こうして一気に見てみるとそのはっちゃけ振りも実に楽しい。
ありえない設定やらご都合主義の展開などはさておいて肩の力を抜いて見たほうがいいかも。
でもって23時からは吉澤ひとみ初のレギュラー出演ドラマ「もっと恋セヨ乙女」がスタート。
まあ主演は真中瞳でひとみ同士仲良く…といいたいところだけど、明らかに脇役だわな。
15分のミニドラマなので、吉澤さん演じる会社の受付嬢も出番も少ないだろうけど…。
果たしてドラマが始まってものの5分も経たないうちに出番終了。
いきなりどアップで登場するや否やヒロイン幸子に憧れて入社した経緯を捲くし立てる。
今日の出番はここまで…毎回こんな感じっぽいね。
ところでその役名が深沢泉…こっちもいずみちゃんだよ…もちろん偶然だろうけれど。
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5月16日(日) あなた色に染まりにいきます…。
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安倍なつみ
ファーストコンサートツアー2004〜あなた色〜
6月12日大阪厚生年金会館大ホール
15時30分開演のステージ
ミュージカルの初日公演以来
二度目の「おかえり」を言いに行ってきます。
FCの先行のみならず、各種チケット販売の先行も玉砕!
とっくにあきらめていたなっちのファーストコンサートツアーの初日を見られることになった♪
それにしても追加公演が初日の昼っていう裏技でくるとは恐るべしUFA…しかも突然の発表。
最新のFC会報にその一報が載ってから一週間足らずでの電話による先行販売。
5月15日午前10時より受け付け…そういわれてもその時間に電話をかけることが出来ないという現実。
そうさ、どうせすでにあきらめた大阪公演…もうどうにでもなれ!
そもそも電話が繋がることさえ危ぶまれる現状ではあせったところで仕方がない。
電話予約開始のその時間には、後藤真希の横浜公演に向かう電車の中だし。
当日の午後、仲間から入った一通のメール。
電話が繋がってとりあえず2枚チケットを押さえたとのこと…もちろん、迷わず承諾。
受け付け開始から3時間近くも経っていたので良席は期待できないけれど、そんなの問題ではない。
とにかくツアーの幕開け公演が見たい…ただそれだけ。
席はやはり3階だったらしいけれど、もうそんなことはどうでもいい。
なっちにまた「おかえり」が言える。
明けて日曜日。
一週間の疲れを癒してくれる「ハロモニ。」の日。
しか〜し!なっちがいない!!
テレビに映った司会者はなんと保田圭ちゃん…そっかなっちもドラマが押してきたのか…。
週に一度の安倍さんの百面相が楽しみだったのに、これで2週連続でお預けになることが確定。
でも今回の「ハロモニ。」の企画も絶好調。
最近作家でも変わったのか、番組全体の構成が実にパワフルで楽しい。
久しぶりの連帯責任系のゲーム企画…誰が泣くんだ?誰が!?
今回の泣きは意外にも高橋さん…その顛末はまだオンエア前の方もいるでしょうからお楽しみに。
番組的には今回のMVPはガキさんですな。これも見てのお楽しみで。
ところが、意外なところにびっくりの展開が隠されているとは…。
なんと安倍さんと藤本さんは親子だったのです…い、いつの間に。
確か先週までは姉妹だったはずなのに…でもこれはこれでめちゃくちゃうれしいわけで…。
でも、安倍美貴ってずぶずぶのテロップ出されてもなぁ〜。
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5月15日(土) みんなで浪漫を語ろうよ。
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ロマン語れば一晩中 疲れ知らずのall night long
恋する暇もないよ 波が押し寄せてくる
そう歌ったのは宇徳敬子の“光と影のロマン”だけれど…。
いいねぇ〜“浪漫〜MY DEAR BOY〜”…
久しぶりにモーニング娘。の曲をエンドレスで飽きもせずに聴いている感じ。
実際問題として、なっち卒業後はほとんど娘。の曲は聴かなくなった。
ベストアルバムもちゃんと通して聴いたのは1回くらいかも…。
そのくらい音楽的にはモーニング娘。への感心が薄れていた。
でも今回の“浪漫〜MY DEAR BOY〜”は、春のツアーの初日に聴いてからちょっと気になり始めた。
明らかにこれまでの娘。ではない新しい何かをそこに感じた。
それは単にかっこいいとかロックしているとかいうだけではなく、もっと根本的な音の違いだった。
ひと言でいうならば音の立ち上がりのよさなのだと思う。
イントロのギターの旋律だけでもかなりいい感じだ。
そして何よりもメンバーのヴォーカルの立ち上がりのよさが際立つ。
これは藤本美貴を事実上のセンターに配したことによって音が締まったということもあるだろう。
でもそれだけではない…すべての面で鋭角的で攻撃的な音が支配しているせいだと思う。
これまでモーニング娘。の音を支えてきた安倍なつみの不在をどうやって補うか…。
これは大きな問題だった。
実は答えは簡単だったのだ…安倍なつみの作り出せない音で全編を支配してしまえばいい。
安倍なつみはあらゆる意味でモーニング娘。の暖色系の音作りの象徴だった。
どんなにカッコいいロックを歌っても、どんなに切ないバラードで語りかけても…
なっちはなっちだった。
モーニング娘。のこれまでの多くの楽曲は安倍なつみの声といかに中和させるかが問題だった。
どんなに後藤真希や石川梨華といった明るい声をメインに掲げてもそれは変わりなかった。
二人の個性を生かすも殺すもなっち次第だった。
逆に考えればそれだけ安倍なつみという存在がやはり大きかったのだろう。
ユニットの顔だというだけでなく、音作りの中でも重要だった。
一方ではなっちの声が必ずしもユニットのセンター向きでなかったという事実もある。
そのなっちの声がなくなったことによって、モーニング娘。の音はより攻撃的になった。
藤本美貴や田中れいなというメンバーがその象徴ではある。
しかし結果的には他のメンバーの音にも変化が見えてきた。
石川梨華のデンジャラスヴォイスもこの“浪漫〜MY DEAR BOY〜”にはずばり嵌った。
もともとデビューの頃から攻撃的だった高橋愛の声もさらに切れを増した。
反面それまでなっちとともに暖色系の象徴だった加護亜依のボーカルは明らかに後退している。
それにしても今回の“浪漫”がすごいのはその音作りに関わった豪華なメンバーだろう。
ベースが元リンドバーグの川添智久、キーボードは元レベッカの土橋安騎夫…。
そしてサックスには元バービーボーイズのKONTAという顔ぶれだ。
間奏で鳴くKONTAのサックスは元ファンとしてはちょっと鳥肌もの。
バービーボーイズは、KONTAこと近藤敦と杏子の男女ツインボーカルで人気だったバンド。
杏子はソロや福耳としてもお馴染みだ。
ベースのエンリケは最近浜崎あゆみのツアーに参加している。
アルバムも全部持っていたけど、数年前に思い切って中古ショップに売ってしまった。
こういうことがあるから処分のときって悩むんだよな…。
そんなこともあって“浪漫〜MY DEAR BOY〜”は、インストゥルメンタルも含めて聴きこんでいる。
冷静に考えても、これだけのバックバンドを従えて歌える娘。ってやっぱりすごいと思う。
楽曲的にも普通にGLAYとかが歌ったら、それなりにヒットする曲なんだけれど…。
ちなみにカップリングの“ファインエモーション!”は、めちゃ明るい暖色系の娘。ソング。
つんく♂のお得意の言葉遊びが縦横無尽に飛び交っている。
当然のことながら巻き舌や語尾のリズミカルな発音もフルに発揮されている。
これはこれでモーニング娘。でしか出来ない音楽には違いない。
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5月13日(木) ピーター・パンになりたいかい?
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さて前回に続いて映画の話。
「ピーター・パン」という映画を見た。
誰もが知ってる永遠の少年ピーター・パンの大冒険。
子供の頃に読んだ童話の世界の物語。
でも本当のピーター・パンの物語はただのおとぎ話ではない。
1904年に原作者のバリが書き上げた戯曲がロンドンで上演される。
原題は『ピーター・パンとウエンディ』…これが原点だ。
大絶賛されたこの戯曲は後に小説となって出版される。
「ピーター・パン」に関するキーワード…。
ネバーランド…
海賊フック船長…
お腹に時計を呑み込んだワニ…
妖精のティンカーベル…
大人になりたくない少年…
みんな、思い出したかい?
自由に空を駆け、悪い大人をやっつけるヒーローの物語を…。
自分がその物語を思い出すきっかけは日本版ミュージカル「ピーター・パン」との出会い。
ブロードウエイで絶賛されたミュージカル「ピーター・パン」は1981年日本で初上演された。
今では当たり前の劇場内でのフライング(ワイヤーによる宙乗り)も話題になった。
ピーター・パンに扮したのは当時の人気アイドルだった榊原郁恵。
彼女はこの役を得たことでその後の芸能活動に確固たる足跡を残し今日に至る。
その後1987年まで主演を務めたが、結婚を機に同じ事務所の後輩にバトンタッチされていく。
自分にとってもこの年がミュージカル「ピーター・パン」との最後の遭遇となる。
双子の沖本姉妹のダブルキャストが94年まで続き、その間には唯一事務所の違う相原勇も演じている。
相原勇は郁恵版「ピーター・パン」に憧れてこの世界に入ってきた人だった。
92年の公演で初ピーター・パンを演じ、翌年から94年までは沖本姉妹とトリプルキャスト。
この94年を最後に沖本姉妹の妹が卒業し、残った沖本富美代と宮本裕子で97年までダブルキャスト。
そして1998年、若干13歳だった笹本玲奈が抜擢され一人で舞台を守り抜く。
昨年の公演からオーディションで選出された中村美貴にバトンタッチされたようだ。
もちろん世界的にその人気が広まった「ピーター・パン」はその後何度か映画化される。
1953年ディズニー製作のアニメーション作品は今もなお何度もリバイバル公開されている。
スピルバーグ監督でオールスターキャストで作った「フック」なんてのもあった。
でもあれはただの娯楽映画であって「ピーター・パン」の世界観を描出するのには明らかに失敗作。
ロビン・ウイリアムスの演じるピーター・パンでは少年の心は伝わらない。
今回の映画化に当たってはそれまで舞台では女性が演じてきたピーター・パンを初めて男優が演じた。
実年齢15歳のジェレミー・サンプター演じるピーター・パンはやっぱり少年というイメージはしない。
むしろティーンエイジャーが演じることでよりウエンディとのロマンスに視点が移されているようだ。
子供から大人への端境期にあるウエンディとの対比の中でピーターの幼児性がなかなか見えてこない。
だから大人になりたくない永遠の少年の悲しみが今ひとつ伝わらないジレンマはある。
それでも映画は素晴らしい作品にはなっている。
原作のストーリーを忠実に映像化している点も評価できる。
孤独の意味を知る大人の代表であるフック船長の佇まいもなかなか魅せてくれる。
またCG全盛の中でフライングのシーンが意外と凡庸だったのはかえってよかったかもしれない。
あまりにもCGシーンが目立ってしまうとせっかくの寓話性が薄れてしまう。
問題があるとすると劇中に登場する人魚とワニの造型か…何もあそこまでグロテスクにせんでも…。
映画を見終わってふと思った。
矢口真里主演のミュージカル「ピーター・パン」を見てみたい。
最近は大人の女性を目指すと言っている矢口さん。
一方ではいつまでも少年の心を持った人に憧れると以前から語っていたし…。
でも矢口さんがキャスティングされるとしたら、いたずら好きのティンカーベルも合ってるかも。
もっともそこまで小さくないから!と素で突っ込まれそうだけれど…。
どーかひとつ今後の矢口さんの活躍の幅を広げる意味でも事務所の皆さん是非一考を…。
ふと思い出したように24年目に突入するミュージカル「ピーター・パン」を見たくなった。
チケットを調べたらまだ土日の公演でも良席が残っていた。
7月24日、東京フォーラムCで17年ぶりに少年の心を思い出してみようと思う。
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5月11日(火) 世界の中心で、何をさけんでみようか…
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「世界の中心で、愛をさけぶ」という映画を見た。
基本的にこの手の最初から「泣いてください」的な作品は苦手だ。
恋愛ものに限らずこの手の映画を見て当たったためしがない。
理由は簡単、感動の押し売りは実はただの確認作業でしかないから…。
泣けるぞ、泣けるぞ…と脳みそにすり込まれたらそら涙のひとつも出るでしょ?
いや別に恋愛映画や感動作品に屁理屈を言おうというのではない。
最初から心の準備が出来た状態で感動しても、それってホントの感動といえるの?
だから基本的にこの手の作品はあえて眉唾で見ることにしている。
それでも本当に感動に打ち震えることができたらそれこそ本物の感動作だと思う。
そうはいいながらも、実は涙腺はめちゃくちゃ弱い。
予測なしにくる感動の場面ってのは大概やられる。
とりあえず最近はあまり事前情報や先入観で映画を選ばないようにしてる。
あまりその作品について深く知らないうちに映画館で自分の目で確認する。
そんなスタイルの映画鑑賞が常になってしまった。
やぶにらみ…なのかもしれない。
でも、なぜ今回公開前から感動の押し売りが明らかなこの作品を見ようと思ったのか…。
理由はひとつ、森山未來が出ているから。
原作がベストセラーだとか、ヒロイン役が柴崎コウだとか、長澤まさみがかわいいとか…。
そんなことはとりあえずどうでもよかった。
森山君の演技が見たかった。
この夏20歳になるこの無骨な若手俳優に興味を持ったのは2001年秋のドラマ「さよなら、小津先生」。
田村正和がエリート銀行マンから一転、挫折を味わい高校教師へと転進する中年男を演じた。
その赴任先の高校で受け持ったクラスの生徒井本浩二を演じたのが森山未來だった。
何ごとにも無気力な生徒たちの中で、井本役の森山未来の斜に構えた佇まいは異彩を放っていた。
けして今どきとはいいがたい腫れぼったい目をしたこの青年がなんとなくかっこよく見えた。
ドラマは井本たちが所属するバスケ部の顧問となった小津と彼らの交流を軸に描かれた。
エリート街道をのし上がってきた小津が、教え子たちとともに成長していく物語である。
しかしテーマが重いこともあり、学園コメディにも出来なかったため、視聴率は散々だったと聞く。
脚本は「踊る大捜査線」の君塚良一、主題歌はaiko、大人の鑑賞に堪えうる作品だった。
その後、森山未來は昨年の「ウォーターボーイズ」でブレイクするわけだが、このドラマは未見。
春に見た「ミュージカル・スター誕生」では重要な役どころで出演していた。
このときのパンフレットのプロフィールで、舞台経験も豊富な役者だったと初めて知った。
で、映画のこと。
原作は未読なのでなんともいえないが、原作にはないエピソードで物語を膨らませたのは正解だろう。
前作「解夏」といい、なんとなく今後は恋愛映画の教祖様になりそうな大沢たかおもまずまず。
フィアンセを演じた柴咲コウも今回はやや抑え気味の演技で存在感を増した。
第5回東宝シンデレラでデビューした長澤まゆみの体当たりの演技も評価できる。
とにかくこの東宝シンデレラってやつは第1回の沢口靖子も含めて華やかさがない。
そんな中で彼女の放つ明るさはこれからも大切にしていったもらいたいと思う。
劇中で流される1986年当時のメロディも懐かしかった。
特に渡辺美里の“君に会えて”の選曲が素晴らしい。
これは彼女の1stアルバム「eyes」の収録曲で、今もなお色褪せない隠れた名曲。
原作、役者、音楽、素材はすべて素晴らしい。
監督は前作「きょうのできごと」も見事だった行定勲。
カメラは「花とアリス」他、岩井俊二作品でも著名な篠田昇。
つまらないわけがない…はず。
長い…とにかく長い…恋愛映画は饒舌であっては成り立たない。
だから細かいエピソードを連ねていくのはよい。
それでも、そのすべてのエピソードを無理やり現実の物語と繋げようと欲張りすぎた。
例えば朔太郎が学校の体育館で生前の亜紀と再会するシーンは果たして必要だったのか。
現実と過去のフラッシュバックが映像にリアリティを持たせていった流れがここでいったん途切れた。
とりあえず詳しいことは映画館で皆さんの目で体験して感じてもらうしかない。
この映画を否定するつもりはない。
好きなシーンもいくつかある。
朔太郎と亜紀が海を見下ろす高台でブランコに乗るシーン。
そういえばもう何年もブランコになんて乗っていない。
立ち漕ぎをする亜紀のすらっとした長い足がまぶしかった。
力いっぱい漕いだブランコからさっと飛び降りる朔太郎の若さがうらやましかった。
きっと今自分がブランコに乗ったとしても、怖くてあんなに力いっぱい漕げないだろう。
病に倒れた亜紀を迎えに来た父親に殴られる朔太郎。
その亜紀を乗せた車が走り去るのを裸足でアスファルトを蹴って追いかける朔太郎の背中。
かっこよかった…大林作品の常連だった若い頃の尾美としのりを思い出す。
台風に見まわれた空港での朔太郎と律子の再会。
あのときの出来事を述懐する柴咲コウの刹那さはやはり涙腺を刺激する。
きっと、映画を見て感動したくてスクリーンに対峙した人には素晴らしい作品だと思う。
大沢たかおと柴咲コウの姿に自らの思いを重ねてみたい人にも満足のいく作品だと思う。
これからの活躍が期待される長澤まさみの成長を確認したい人も楽しめる作品だと思う。
映画を見終わったあと何をさけぼうか…。
そういえば最近コンサートでさけぶことしかないな。
とりあえず…辻ちゃん!あんたは最高だぁ〜〜〜!!
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